「今日、臨時の教育委員会が開かれる」という情報を聞き、午後の予定をキャンセルして
急遽午後1時30分から開催された教育委員会会議を傍聴してきました。
主な議題は、札幌市が市内約14万人の全小中学校・高校の生徒を対象に実施した
イジメ・アンケートの結果報告でした。
約30ページほどにまとめられた報告書には、驚きの結果が記されていました。
(資料出所:平成25年第5回教育委員会会議、報告第1号「悩みとイジメに関する意識調査」の結果について:赤字は筆者注記)
上の表は小学校・中学校・高校の別にいじめの有無をまとめた表です。
小学校低学年では、約3割(29.6%)の児童がイジメの被害を訴えているというのです。
中学年、高学年と年齢が上がるに連れて、イジメ回答者は減ります。
続いての質問は、「今もいじめられているか?」との問いです。
今(現時点)もいじめられている生徒が、なんと3割以上もいます。
事務局の説明を聞いて、「これは大変な事態だ!」と私はとっさに思ったのですが、
委員会の流れはどういうわけか、ゆるやかで、とても静かに進行しています。
事務局の説明が終わったあと、教育委員からの質疑は、
・アンケートの設問が子どもに答えやすい形式で良いと思うが、どんな工夫をしたのか?
・現場の先生からはどんな反応があったのか?
などの形通りのものばかりです。
そんなことより、
「いま目の前にあるイジメをどう止めさせるのか!」
「生徒をどうやって助けるのか!」
という疑問、意見が全くあがらないまま、
委員長が「じゃあ質問はこの辺でよろしいでしょうか」と締めくくると、委員会はあっさりと
次の話題に移ってしまいました。
せっかく学校関係者が苦労して実施したアンケートが、教育委員会ではこんなに事務的に
流されて、「お・し・ま・い」となっていることを現場の先生は誰も知らないと思います。
このアンケートの結果を保護者にどう伝えるのかも一切話題に上りませんでしたし、
なにより、イジメの被害を訴えている20,099人の生徒が本当に心配です。
札幌市ではここ数年間、毎年のようにイジメを理由とした生徒の自殺が続いています。
しかし、形式だけの事故調査委員会を開くだけで、問題の本質に迫ろうとしないまま
ずっとお茶を濁してきました。
責任を取る人は誰もいません。
学校は不祥事の事実を隠蔽し、教育委員会事務局は組織を守ろうといつも必死です。
教育は議会からも市長からも独立していて、教育委員だけが決定権を持っています。
そして最高の意思決定機関である肝心の教育委員が名誉職そのもので、月に一度の
委員会では高みの見物の如く呑気に発言している様子を見ると、親として札幌市の
公立学校に子どもを預けることが本当に不安に感じられてきます。
今日の教育委員会会議では、これだけ重要なテーマだというのに出席した委員は
山中善夫委員長、臼井博委員、池田光司委員の3人だけで、残る2人の委員は
欠席でした。(欠席は池田官司委員と阿部夕子委員)
どうりでこれなら会議は静かに進むはずです。
「臨時委員会」とは言え、教育委員会事務局のいじめ問題に取り組むヤル気のなさが
伝わってくるような会議設営です。
例によって教育委員会を傍聴する市議会議員は私の他にはおりません。
マスコミも1社だけでした。
それにしても関係者の皆さんはどうしてイジメ問題にこんなに無関心で(冷静で?)
いられるのか、どうしても不思議でならないのです。
もしかしたら私はすこし騒ぎ過ぎなのでしょうか。
さて私は新年度から市議会で新たに文教委員会に所属することが決まりました。
4月からは学校でのイジメ・体罰、学力向上、教育現場の規律回復などを中心に
教育問題にいっそう力を入れて取り組んでいくつもりです。
ご相談、ご質問などお気軽にご連絡いただければ幸いです。
★今後の議会日程のお知らせ
3月26日(火)午後1時~ 第1部予算特別委員会 討論・採決
午後2時頃~ 経済委員会(大通複合文化施設について説明)
3月28日(木)午後1時~ 本会議 新年度予算他に関する討論・採決
いずれも討論の部で登板予定です。
3/28の本会議では、「TPP交渉参加に反対する意見書」に自民・公明の両党も含む
全会派が賛成の予定です。
残念ながら自会派内の意見もまとまらず分裂となってしまいましたが、ただ一人反対
(TPP賛成、安倍総理支持)の立場で討論を行う予定です。
コメント
教師自らがいじめやクラス問題に対応しようとしない対応しないとならない手間がかかる児童に責任を押し付けたりいじめ集団大勢と加勢したりして指導力あると嘘ぶく
大人の世界にも「いじめ」はあります。
レッサーパンダさんのおっしゃるとおり「いじめ」は完全になくすることは不可能です。
しかしながら、子供のいじめは年々悪質になってきていて、大人の世界よりずっと「いじめ」の質が悪くなっていると思います。
大人ならば自分の判断で職場を変える事はできても、子供はそうはいきません。
しかしながら、唯一の救出のよりどころである教師がその役目を果たしていない。
教師の能力の低下も一因のような気もします。
子供を3人育てて、クラスの中でのいじめを含む小さな問題ごとに関して、正面から生徒に向き合う教師が少なくなってきています。
内部文書の紛失を生徒のせいにした札幌の中学校の事件は記憶に新しいところですが、所詮札幌の教師の質はこの程度です。もしよろしければ、「しろかに 札幌の中学校の実態」で検索してみてください。私のブログの過去記事が出てくるはずです。(試しにググってみたら、金子さんのブログの記事も出てきました。笑)
もちろん、親のモラルの低下もあります。しかしながら親がバカでも、周りの環境がよければその子はいい子に育つはずなのです。時には馬鹿親から子供を離す事も必要でしょう。
子供達の健全な育成に向けて活躍してくださる事を願っています。
委員会を傍聴した方でない知り得ない感想ですね。
何故か長らく札幌市の管理する学校のいじめは小学校低学年が少なく学年が上がるごとに多くなり中学校1年が一番多かったはずです。
アンケートの取り方が違ったのにしても問題意識が持てない教育委員の存在意義が無い。
また、事実を指摘しても裁判で認定されないと認めないと保護者に言い切っている。
はっきり言って子供を札幌の学校に行かせることは社会に出ても使い物にならない御バカになるだけ。
いじめ問題のポイントは
「いま目の前にあるイジメをどう止めさせるのか!」
と、ここではないように思います。
極力
「生徒をどうやって助けるのか!」
と、論点をこちらに集中させた方が解決に向かうのではないでしょうか。
そもそも大人の世界でいじめが横行しているのに、子ども同士のそれがなくなるとは到底思えません。
戦争然り、差別然り、犯罪然り。
なくす前提……いえ、努力すればなくなると言う前提で取り組んでいるうちは、真に弱者が救済される日は来ないでしょう。
過去には「想像してごらん」と平和を歌っていたミュージシャンもいましたが、
悲しいかなそれが夢物語であることは人類の長い歴史が証明しております。
ここは現実を見据えて、無論誰もが認めたくはなくとも、
「いじめや争いはけしてなくならない」と言う前提で、そこから被害者を救う為の取り組みが必要と思われます。
実現が困難な理想より、つらい思いをしている生徒を一刻も早く、ひとりでも多く救うのが最優先です。
金子議員の取り組みを応援しております。