6月議会も終わり、いまは市議会が閉会中です。
議員控室でずっと調べ物をしていて、気が付けば窓の外は真っ暗。
最近の議会ロビーはいつも人影もなく閑散としていて、今日も夜になると
残っている議員は私しかいませんでした。
議員ロビー、今日の会議はありません。
議会開会中はド深夜まで残っている議員さんも意外と多いのですが、この時期は
議員の皆さんは地元活動などなさっているのかもしれません。
さて私の机の上にドサッと積んであるのは、今日届いた市役所職員の出張記録です。
市役所の、ある課の一年間の出張記録を情報開示請求で取り寄せたのです。
まだパラパラとしか見ていませんが、驚くべき実態を見つけました。
上の写真をクリックして大きく引き伸ばしてご覧ください。
この職員は、研修のために東京に1泊2日で出張して
・日当2,200円×2日間
・宿泊費11,300円
を受け取っています。
日当は良いとして、問題は宿泊費です。
札幌市の職員出張規定では、宿泊費は規定額の上限一律支給で、
領収証は添付しなくてよい決まりになっています。
つまり、どこに泊まってもかまわない仕組みなのです。
しかし、この職員の場合、資料をよく見ると記録の中に宿泊先が小さく
記されていました。
研修主催者である「独立行政法人国立青少年教育振興機構」が手配した
宿泊施設に1500円で宿泊しているのです。
札幌市から11,300円の宿泊費を支給されて、実際に払ったのは1500円。
差額の9,800円は出張した職員のポッケの中でしょうか?
民間では考えられない仕組みです。
民間のサラリーマンなら、出張はなるべく安いところに泊まって経費を節約し、
売り上げを上げよう、取引先を増やそう、ひとつでも大きな成果を上げようと、
一生懸命働くところです。
しかし、札幌市の職員はどうやら違うようです。
また、札幌市の規定では航空券は最安のものを利用するよう定められています。
この職員は、東京までの航空券はスカイマークが最安だったのに、高いエアドゥを
利用したということです。
出張精算書のメモによると、
「荒天等で欠航になった場合、振替ができないと近畿日本ツーリストから説明が
あったため、次に低廉なエア・ドゥとした」
と記載されています。
しかし荒天の場合は、どこの航空会社も飛行機は飛ばないので、振り替えても
無意味だと思います。
天気の回復を待つほかありません。
ちなみに、スカイマーク社のホームページを見ると振替は可能だそうです(下記)。
「悪天候時の航空券の取り扱いについて」
さて問題は、肝心の出張の中身です。
研修日程によると、初日の研修は昼からの数時間。
そのあと夕方からは、お楽しみの「情報交換会」。(←懇親会のことでしょうか?)
交換会疲れの翌二日目は半ドンで、昼に研修は解散。
これはひょっとして研修を名目とした慰安旅行と言われても仕方ありません。
復命書(民間の出張報告書のこと)も職員のプライバシーのため、ここでは掲載
しませんが、実に情けないレベルです。
とても51,320円もの市民の血税を投じた事業の成果とは言えません。
自分の金でなく、他人の金と思えばこんな使い方ができるものでしょうか。
しかし出張報告の束を一枚一枚見ていると、こんなのばかりなのです。
驚きの札幌市職員の出張の実態(2)は、次回アップいたします。
それにしても、毎日、こういう札幌市職員の実態を見ていると、税金をまじめに
納めていることが本当に虚しく感じられます。
なんとかこの市役所の無気力、無責任、ぬるま湯体質にメスを入れたいと私は
思っているのですが、1万数千人の職員に立ち向かうこと、小生一人。
多勢に無勢とはこのことです。
どなたか、2年後の市議会議員選挙に立候補して、私と一緒に市役所の大掃除
に取り組んでくださる方はいらっしゃらないでしょうか。
勇気と覚悟を持った貴方様からのご連絡を心よりお待ちしております。
コメント
出張命令書の節の予算残額が△138,460円となっています。札幌市の予算は、節(旅費、需用費等)こどに予算編成され、この節ごとの予算の範囲内でのみ執行が可能であると思われます。
従って、予算残額がマイナスになることなど絶対に有り得ません。おそらく、起案日時点では、帳簿上、大事業とこれに係る各節の合計は138,460円一致していないでしょう。これは明らかに不適切な経理と言わざるを得ません。これでは、市職員がテキトーに予算を編成し、予算に即さない出鱈目な執行をしていると云われても仕方がないでしょう。
また、札幌市予算規則第18条で規定する「予算の流用」もされていないはずです。因みに、某部署では、積みあがったマイナスの予算を年度末にまとめて流用しているとのことです。
金子さん、日々のお仕事本当にご苦労様です。
薄給のサラリーマン(私も含む)は、こと出張となると何とか旅費の一部を浮かそうと遣り繰りをするものです。なので、気持ちはわからなくもないと言うのが正直な感想であります。しかしながら、あまりにも今回の事例は極端過ぎます。
私たちではあり得ない光景です。
勤務先の財務状況があまり芳しくなく、先々月はとうとう東京までオール自腹出張した私とは随分差があるなぁとつくずく思わされます。
本当に公務員の世界は一般のビジネスの世界とはかけ離れています。
当方地方公務員歴15年でしたが、このようなことは良く見聞きしていました。
情報公開の手段を使って正してほしいと思います。
「復命書(民間の出張報告書のこと)も職員のプライバシーのため、
ここでは掲載しません」
金子先生とあろう方でも職員のプライバシーを尊重して
税金で支払われた公務の内容を明かせない・・・
職員のプライバシーに関わる内容だったんでしょうね。
皆様、多くのコメントをいただき、ありがとうございます。
サラリーマンにとって、出張はつらい仕事の反面、知らない土地に行く
楽しみもあったりします。
仕事が終わった後、夜の街に繰り出すワクワク感は私も経験あります。
その財源は日当や旅費の差額で、というのは古き良き時代の思い出で、
いまとなっては民間企業では旅費は実費精算が普通だと思います。
役所は民間と違い富を生み出すことはありません。
市民が生活を切り詰めて税金を払っているのに、役人が集めた税金を好き放題
使っているのはやはりおかしいです。
宿泊費の実費精算による経費削減は、なんとしても実現させるつもりです。
そして、巨悪だけで無く、こういう小さな悪も、ひとつひとつ正していきたい
と思っています。
民間企業でも出張費を浮かて飲みに行くとかあります。それが正しいのか間違っているのかわかりません。一つだけ言えるのは、民間企業は昔から官庁の真似をする傾向はあるということです。今でも中央官庁が夜遅くまで電気をつけて仕事をしているのを真似する馬鹿げた企業が少なからず存在しています。官庁の慣例は、良い部分も悪い部分も民間に影響を与えるのは事実です。
そもそも税金である以上、実費以外の概念っておかしいと思います。
給料は給料でもらってるのですから。
そろそろ、くだらん隠蔽村から「オレはこういう矛盾がゆるせん!!」という気骨な職員はいないんでしょうかね?
いつもお世話になっております。ご活躍いつも見させて
いただいております。
ほんと、税金のあり方、使い方、どうかしてます。
税金はなんのためにあるのか。
切り詰め、節約し、みんな働きながら、なんとか税金を収めようとするのですが・・
仕方なく、滞納すると高額な延滞税が当たり前の様にかかります。
生保の方々は、税金の納付義務がない・・・。
頑張って納付している方々に対する「もらえるところからもらっとけ」意識というのが
働いていると思います。
とても矛盾を感じてしまいます。
払い損となる今の風潮を何とか変えていかないと
正直者が馬鹿を見る世の中になってしまいますね。
せめて、苦労して収めた税金ですから、きちんと使ってほしいです。ほんと。
金子さん、おつかれさまです。
うちもそれなりの規模の会社ですが、民間も同じようなところの方が多いと思います。ただ、実費へ行くベクトルが自然ですよね。
さて、例えば半日で出張が終わって、仮に飛行機が遅れた場合って、残業代ってつくんですかね?そちらも気になります。教えてください。
金子先生
いつも公務員のムダづかいを暴いていただき、感謝しています。
しかしながら、今回の旅費の件は、民間企業と比較しても、驚くほどかけ離れているとは言えないと思います。
遅刻リスクを考慮してスカイマークを避けるとか、宿泊費は実費ではなく¥11,300-というのも、普通だと思います。
ちなみに、私の東京出張は、スカイマークを利用していますが、ビジネスマンらしき乗客は少ないです。
宿泊は、¥7,000~9,000をネットで見つけて予約していますが、タイミングによっては¥10,000-を超えてしまいます。
確かに、節約の余地はありますが、いつもご紹介いただく驚愕のムダづかいと比較すると、許せる範囲だと思います。
おはようございます!
この案件は オンブズマンでは苦情として取り上げていただけないのでしょうか?
出張で ”利益”を貪っているのですから・・・・ 公務員が
議会でも糾弾してくださいね