25日の決算委員会で取り上げた札幌振興公社の問題の続きです。
藻岩山ロープウェイ山頂駅には「THE JEWELS(ザ ジュエルズ)」という高級レストランが
入居しています。
札幌市内を眼下に一望しながら1万円もするワインをたしなむようなお店です。
このお店の家賃がふと気になり、札幌市に契約書を提出してもらったところ、こんな黒塗りの
契約書が届きました。
まず1ページ目から、契約期間が黒塗りで消されています。
札幌市の場合、このように情報公開を求めると無意味に黒塗りをしてくることがあります。
テナント賃貸借の契約期間は2年くらいが普通だと思うのですが、わざわざ隠してくると
いうことはアヤシイ。
なにかやましい事があるに違いありません。
よくよく問い詰めたら、契約期間は平成44年までの20年間ということを明かしたのです。
では、いったいなぜ契約期間を隠す必要があるのか?
それは契約書の次のページ以降に書かれていました。
なんと、「家賃は無料」だと。
その代わりに、売上のわずか数%を「営業料」として払えば良い仕組みだそうです。
(「数%」が何%かは一切秘密で明かしてもらえませんでした)
いくら藻岩山ロープウェイが赤字で不人気だからといって、家賃が無料というのは随分
ヘンテコな契約です。
年間50万人近くが利用する施設です。
家賃無料ならレストラン経営を引き受けたい事業者は市内にたくさんいるでしょう。
ところが、なぜか広島の「合人社計画研究所」という会社がここに入居し、レストランだけ
でなく、売店やプラネタリウム、展望台など建物全般の管理までやっているのです。
札幌市民の財産である藻岩山ロープウェイが食い物にされています。
(続く)
コメント
これに関しては、
単に「売店やプラネタリウムの管理までやってくれてありがとう」
という話でしかないと思います。
ロープウェイが赤字だということは、正直売店やプラネタリウムだって経営が苦しかったはず。維持費だってただではありませんし。
それを20年間民間企業が無償で行ってくれるなら、こんな濡れ手に粟の話はありません。勿論企業側だってそれなりの条件を求めるでしょう。
結局Win-Winの状況ということで、個人的にはそこまで問題を感じません。
札幌振興公社のウェブでみられる財務諸表や会社情報を見ると、平成25年3月期の経常損失が約4億9千万円。
これはかなり異常だと思います。札幌市の持ち分が8割だとすると、1年間で4億円、札幌市の財産が棄損されたことになります。
このままいくとどんどん会社の価値が目減りしていくのでしょうか。
たぶん、会社の価値に対するチェックがうまく働いていないのでしょう。理由としては、
①同じく株主である銀行としては、出資額よりも貸付額のほうが大きく、利息を得ることができるので株主としての価値を追求していない。たぶん配当とかもしてませんよね。(利益相反となっている可能性もあるのでは?)
②利益剰余金が大きいことから、このレベルの損失を出しても問題ないと考えている。(もしかしたら、儲けちゃいけないと思っているかも。こんなに利益剰余金がたまっていちゃいけないとか。なお、利益剰余金は投資に回っているので、市に返すとかはムリでしょう。)
などと想像します。
金子先生にはそのあたり明らかにしてほしいです。
税務署並みの売上げチェックなんて必要ありません。そんなの税務署がやればいいし、やってるはずです。
役員報酬が高いとか、そういうのどうでもいいかな。
あと、今回のレストランの契約について、固定料金無し+売上に応じた料金というパターンはよくある方法と思います。
契約期間が長いのは結構な初期投資をさせてしまっているからでしょう。長すぎると思いますが。こうしなければテナントが入らないとしたら施設の魅力が低いんでしょう。
公社対テナントの契約については、公社が収益をあげられるために一番いい方法をとるのがいいと思います。競争入札にこだわるほうが悪い結果になることもあります。
さて、金子先生には札幌市におけるネオリベの旗手として期待しているのですが、役所に用意させた文書をなんでもかんでもネットに晒し、かつ担当の局長(でしたっけ)の直通番号をもさらすのは、ちょっとやりすぎじゃないですか?
現状ではクレーマーの嫌がらせにしか見えません。
このやり方だと役所は委縮し、行政コストがどんどんかかるようになっていきますよ?
役所や外郭団体の機能をマヒさせ、それをもって役所の領域を小さくしていこうという意図ならなんとなくわかりますが。
特約項目はなかったのでしょうか。
札幌市は税務署並みの売上げチェックをしていたのでしょうか。
売上の数%の根拠と建物設備の償却が見合っているのでしょうか。
たしかに 怪しいですね!
最低限 競争入札案件でしょうね!
裏で”お・も・て・な・し”が発生してなければよいのですが・・・