明日12月12日は第4回定例市議会の最終日です。
今回の定例市議会で一番大きなテーマは指定管理者を更新する議案が38件です。
昨日の文教委員会では上記38件のうち、所管の施設について質疑を行ったのですが、
質問者は私を含めて2人だけで、あまり関心は高くないようでした。
私の疑問は、今回札幌市のOBが天下る出資団体(3セクのことです)に非公募で指定を
与えていることについて、選定委員会の評価シートを見ると、管理経費削減の縮減に
関する点数が低いのです。
たとえば児童会館を委託する「さっぽろ青少年女性活動協会」では30点満点中16.7点、
生涯学習センターを委託する「生涯学習財団」は200点中108点、といった具合で、
だいたい半分くらいの点数しかとれていません。
選定委員会には学者や会計士、弁護士など専門家が入っていて、専門的見地から
判定すると、コスト削減が不十分という評価がされているようなのです。
選定委員会の「管理経費削減の縮減」についての評価点
施設名 |
指定団体 |
点数 |
若者支援施設 |
さっぽろ青少年女性活動協会 |
30点中17点 |
児童会館及びこども人形劇場 |
さっぽろ青少年女性活動協会 |
30点中16.7点 |
こどもの劇場 |
さっぽろ青少年女性活動協会 |
30点中16.7点 |
生涯学習センター及び教育センター |
生涯学習振興財団 |
200点中108点 |
青少年科学館及び天文台 |
生涯学習振興財団 |
200点中125点 |
(表は札幌市資料を元に筆者まとめ)
これについて昨日の文教委員会で尋ねたところ、
「児童会館など人件費率が高いので、コスト削減には限界がある」
との答弁でした。
それはそうだと思いますが、非公募ではなく公募で民間企業が選定に参加している他の
施設では競争が働いて管理経費削減の点数が約8~9割と高くなっている例がほとんど
なのです。
札幌市の天下りを受け入れているという馴れ合いで仕事を市から独占的に受けていて、
コスト削減努力も怠るようでは、指定管理制度を導入している意味がありません。
本来は制度の趣旨に従って、すべて公募で業務を開放して、民間企業の新規参入を
促すべきだと思います。
このため昨日の文教委員会では、出資団体に非公募で管理指定する議案5件について
反対しました(反対は私一人で他全員は賛成)。
明日の本会議では指定管理全38件の採決が行われますが、同じ理由で文教委員会
以外の所管を含む10件について反対します。
その他の人事案件や条例改正案などの議案についてはすべて賛成です。
午後1時からの本会議では5分間の予定で反対討論に立ちます。
コメント
この団体所管の施設を見てみると、児童会館をはじめ、キャンプ場、若者施設、人形劇場などで過去に市役所が直営で管理運営していたところです。
専門性と民間手法を取り入れてこの団体に全委託をしたのでしょうが、大きくなりすぎです。
先生方は一生懸命やられているのでしょうが、「好きでやっている」一面もあると思います。
話しに聞くと、趣味か仕事の境界線がなく、仕事をしている職員もいるそうです。
こういった「好きでやっている」部分というのは、ボランティア的な要素があってもいいでしょうし、そういったところは、地域やNPO、民間企業などが入り込む余地があります。
楽しい仕事をやっているのだから役所と同じ給与体系というのはこのご時世、恵まれすぎているのではないでしょうか。指定管理者制度も形骸化しています。
>「児童会館など人件費率が高いので、コスト削減には限界がある」
1時間当たりの市の見積もりと実際の支給額との差に興味あります。
それと民間では低賃金が即質の低下を招くというのは結びつきません。
その論法だとブラック企業が栄える訳が無いです。
逆に能力に見合わない高給を望む連中が多いと質・モラルの低下が起きやすいです。etc・・・NHK、札幌市
<児童会館など人件費率が高いので、コスト削減には限界がある」との答弁でした。非公募ではなく公募で民間企業が選定に参加している他の施設では競争が働いて管理経費削減の点数が約8~9割と高くなっている例がほとんどなのです。>
とありますが、人件費率が高い福祉の職場で、経緯費削減が可能なのはどうしてだと思いますか?
それは、民間企業が、我々職員の待遇を悪くするからですよね?残業代は出ないし、職員も少ない、でも、自分達が仕事の手を抜けば、その代償は子供たちの環境悪化につながる。だから、キツくても手は抜けないし。周囲にも、本当は「自分の子供が急病で休みたくても休める雰囲気にない」という理由で、病児保育をしてくれる施設に預けて仕事に出てくる人はたくさんいます。うちの子も、児童会館を使わせてもらってますが、先生方はほんとによくやってくれてると思います。福祉は人です。だから福祉の人件費をさげることは、そのまま質の低下につながります。高級さでうっている一部の保育所や幼稚園と違って、児童会館のような無料で使える施設の人件費を削減することは、本当にいいことなのか考えてみてください。