連日アイヌの話題ばかりで恐縮ですが、今日の時事ネタです。
twitterでもつぶやきましたが、今日からJRタワー1階札幌駅の西コンコースでアイヌ文様の
アートモニュメントの展示が始まりました。
ステラプレイスの入口の真横で、札幌駅でもっとも多くの人が行き交う場所に、縦2メートル、
横2メートルの大きさで、美しい色彩で丁寧に織り込まれた素敵なタペストリーです。
(制作:加藤町子さん、村で遊ぶ子供達、2014年。制作委託料2,397,600円)
これ以外にも市役所本庁舎1階ロビーでも4作品が展示されています。
(札幌市長記者会見資料より)
この5つの作品の制作・展示に1500万円の札幌市予算が投じられています。
大型でとても緻密な作品で、制作には相当な時間と手間がかかるのだろうと思います。
1500万円が高いか、安いかはここでは論じません。
問題はこれらの作品が「アイヌ民族の工芸家が制作した」と説明されていることです。
私の主張によればアイヌ「民族」はいないはずなのですが、札幌市役所はどうやって
アイヌ「民族」であることを確認したのでしょうか?
札幌市役所の担当課に照会したところ、
- すべて公募作品で、5名の工芸家は北海道アイヌ協会の会員と聞いている
- したがってアイヌ民族のはずである
- 本当にアイヌ民族かどうかまでは確認していない
との説明です。
つまり工芸家がアイヌ民族であることは推定だというのです。
北海道アイヌ協会は、アイヌの定義を「アイヌの血を受け継いでいると思われる人や
婚姻・養子縁組等によりそれらの方と同一の生計を営んでいる人」としています。
分かりやすく言えばアイヌの配偶者の和人(日本人)は当然アイヌだし、「等」という
言葉が示すように何らかの縁があれば誰でもアイヌになれるという理屈になります。
こんな純粋なアイヌ以外の人が制作に携わった可能性の有無を市役所に尋ねたところ、
- 工芸家が和人である可能性は否定しない
- しかし、北海道アイヌ協会会員だからアイヌ民族である
との説明でした。
今回の5作品はすべて女性の手によるものです。
仮定の話として工芸家のご主人様がアイヌの出身だったとして、配偶者の日本人が
制作した作品もアイヌ文化と言えるのでしょうか?
あるいは養子縁組等の日本人が作った作品もアイヌ文化と言えるのでしょうか?
アイヌのお土産として有名な木彫りの熊も、もとはといえば尾張徳川家 19 代当主の
徳川義親が八雲町のアイヌの人に作らせたことが発端だそうです。
芸術作品として素晴らしいものであれば、アイヌが作ったのか、和人が作ったのかは
大きな問題ではないのかもしれません。
アイヌ文化に触れて感動を覚え、自ら引き継ぎたいという和人がいてもよいでしょう。
しかし「アイヌ民族の誇りが尊重される街」を目指す札幌市として、「アイヌ民族が
制作した」と胸を張って断言できない状態で本当にアイヌ民族の誇りが実現するのか?
私はいささか疑問に感じます。
こうやって考えていくと、アイヌ民族の定義があいまいなまま、政策的資源をここに
無理矢理投入しようとすることがやはり混乱の原因だと思えてなりません。
長い歴史の間でアイヌとそれ以外の人々の混血が進み、いま先祖代々純粋アイヌという
方は数少ないはずです。
茅葺きのチセで漁労採集生活を送っている人もいまはいません。
日本人とアイヌの区別や就職や進学などの差別も無くなり、民族対立もなく、同じ街で
平穏に暮らすことができる今日が彼らの理想だったのではないでしょうか。
それなのに「差別反対」と叫びながら、利益を得たいときだけは自ら差別を演出する、
こんな矛盾にはどうしても納得ができないのです。
アイヌ文化に補助を与えるのも良いけれど、それ以外の文化と同列に扱うべきで、
片方だけ特別扱いするから矛盾が起きる。
本当に良いものは特権を与えなくとも人々に評価され、後世に残るはずです。
不透明な特権は矛盾を拡大させるだけで、差別の再生産に他なりません。
こんな歪んだアイヌ政策に私はこれからも問題提起を続けるつもりです。
コメント
読み落としていた。協会に所属してないんですね。
じゃぁ利権に関わってないんですね?
なら、堂々と協会には所属してないしお金も欲しくない!
ってそういう輩に言ったらいい。
協会は悪いことしてますよ。
アイヌの人からも糾弾してくださいよ。
不正を正さないなら協会を認めないって。
ティさんは協会に所属してるの?
お金の支援受けたことあるの?どれくらい?
低所得のアイヌの人はいつになったら低所得じゃなくなりますか?
協会の役員が一家総出で学資支援1000万以上受けてたことに対しては怒りはありませんか?
なぜ協会は在日の方と繋がりがあるのですか?
それは必要だと思いますか?
協会を追い出されたアイヌの人はアイヌ民族として保護受けられませんけど、
そのあたりはどう思いますか?
>ティさん
アイヌを馬鹿にするような発言をする者は時折、見聞きし遭遇していましたが
あなたの発言以降、毎日!毎日ですよ?
「アイヌなんていねーんだろ」
「どうせただの商売だろ」
「あなたはアイヌ?」『はい、そうです』
「アハハ!!嘘でしょう!」
わざわざ、こんなド田舎のコタンに来てそんな言葉を…というものもたくさんあります。
本当に悲しくて苦しくて悔しい毎日です。
もしそれが真実であり貴方が当事者又は当事者の同意があれば
今後は具体的な日時と録音録画(スマホやデジカメの動画機能でも可)し
管轄警察署及び地域弁護士会へ相談。
それはさ、もう支持や非支持とは全く論外行為だしさ
人権そのものを害する犯罪なんさ。
あなたは純粋の日本人ですか?それとも“朝鮮系”日本人ですか?“中国系”日本人ですか?
少しでも朝鮮系(or中国系)の先祖がいればあなたは日本人じゃないね。と言われたらどう答えますか??
誰かのブログを読んでこんなに涙が出てきたのは初めてです。
私はアイヌ協会に所属していませんが、アイヌの血を受け継いでいると自負しているものです。
名字は道内のある地方に住んでいたアイヌに同化政策で無理矢理アイヌに作って付けられた名字です。
今現在もアイヌコタンで暮らしています。
金子さん、あなたには言いたい事が山ほどあります。
ですが、まずはこの記事の内容について。
アイヌ文化の担い手がアイヌであるかないか。
あなたは実際にアイヌに会った事はありますか?(いけない、あなたにとってはアイヌはもういないんでしたね)
とりあえず私はアイヌは“いる”という前提でコメントしますね。
あなたは実際に刺繍や木彫りを制作しているところを見た事はありますか?
少しでも実際の暮らしぶりを見た事はありますか?
あなたの文からは全く感じない。机上の言葉でしかない。想像論もちらほら。(ネトウヨに影響されすぎです)
文献など調べたりされているようですが、もう少しリアルを感じる機会を作って頂きたい。
確かにいますよ、コタンにもいわゆる和人は。アイヌにお嫁に来て何十年だとか、里子にだされアイヌ文化伝承のため(それぞれの家系に伝わる刺繍や紋様がある)子供のできなかった義両親に大切に育てられた者もいます。
(アイヌは北海道で和人が入植するようになってから、急激に増えた捨て子をコタンで育てる習慣が出来ていたため、血筋にこだわらない傾向があります。)
確かに“和人”だけどウタリ(仲間)だよねって、皆に受け入れられています。
もちろん血筋も大切ですが、何より私たちが大切にしているのはアイヌの“心”を受け継いでいるか、という事。
刺繍も木彫りも歌も踊りも、簡単に担えるものではなく長い時間と労力をかけ技術と“心”を習得するんです。
何十年かけても、“奥が深い!まだまだだ!”という言葉も聞きます。
普段、刺繍や木彫りを生業にしているなら尚更。
いつでも仕事が入るわけではないし、アイヌの平均収入は一般的な日本人に比べて本当に低いです。
ほんの20年ほど前でも、冬は生活の苦しさから借金をし夏は働きながら返し…を繰り返すという者が普通にいました。
コタンに実際に来てみてはいかがですか?金持ちなどいないとよくわかりますよ。
あなたの発言は本当に大きくて、多くの誤解を世間一般に広めたものです。
アイヌを馬鹿にするような発言をする者は時折、見聞きし遭遇していましたが
あなたの発言以降、毎日!毎日ですよ?
「アイヌなんていねーんだろ」
「どうせただの商売だろ」
「あなたはアイヌ?」『はい、そうです』
「アハハ!!嘘でしょう!」
わざわざ、こんなド田舎のコタンに来てそんな言葉を…というものもたくさんあります。
本当に悲しくて苦しくて悔しい毎日です。
大切な文化伝承、保存は
和人でもアイヌをリスペクトする気持ちが強い事
例えアイヌでもアイヌとしての“心”“志”を強く強く持っていなければ、正直やっていけません。
あなたの発言前からそうでした。
だけどあなたのおかげで、さらに私たちアイヌの風当たりは強くなったので、これからは尚更でしょう。
その覚悟は出来ていましたが、その大切な文化伝承、保存活動、担い手まで馬鹿にされては…
あなたは侮蔑しているのですよ、貴重で古い古い日本の心を伝える文化の一つを。
あなたの文を読む限り、あなたが見た一針一針、心を刻み込んだ刺繍がどれほどの価値があるものか、あなたの目にはわからなかったのでしょうね。
歪んだ正義感と猜疑心で曇ってしまっている。
takme さん
>アイヌ文化の振興は利権がなくてもできるでしょう。
>利権とは切り離してよいですね。
ええ、ただ政治家や役所の方が利権と結びつく可能性がありますので、
オープンにして無駄に予算規模が大きくならないかチェックする必要は
あるかと思います。
札幌市民さん
>それなら文化財の保護で十分ですよね。
>アイヌ協会の会員である必要もありませんし。
アイヌ文化の振興は利権がなくてもできるでしょう。
利権とは切り離してよいですね。
> 私の主張によればアイヌ「民族」はいないはずなのですが、札幌市役所はどうやって
> アイヌ「民族」であることを確認したのでしょうか?
そりゃあ貴方の主張のなかではアイヌ民族がいないのかもしれんが、現実世界には普通にアイヌ民族いるわけで、貴方の主張を現実世界に持ち込まれても困る。
これは素晴らしい報告ですね。
アイヌ文化の素晴らしさを伝えながらも、その制度の不備をついていらっしゃる。
本当に心のそこから応援したいご活動をされたと思います。
さらに制度の不備を無くすことで、かえってアイヌ文化の振興が図れれば、
貴議員には多くの支持が付きます。
新しい形のアイヌ文化の担い手になりうるような
活躍を期待しております。
アイヌの血を全く受け継いではいないが、北海道アイヌ協会の会員である者と
アイヌの血を色濃く受け継いでいるが、北海道アイヌ協会には加入していない者と
はたしてどちらがアイヌ民族なのだろうか
よさこいソーランに関してここでの話題としては不適切だったかも知れませんが、
要するに、アイヌ云々よりも優先して糺すべきことは山積しているでしょうに、ということを言いたかったのです。
金子さんのこのエントリでの問いかけに関していえば、アイヌ民族に限らず、文化に敬意をはらって精進している人であれば誰でもアイヌ文化の担い手になる資格はあると思います。
この点において札幌市民さんに賛同します。
市役所のお役人に対しての批判もまさにそのとおりです。
「アイヌ文化の担い手は、アイヌ民族である必要はありません。」かな。
文化振興の観点から言えば、アイヌ協会以外のアイヌの人々やアイヌ文化に
興味のある人も広く巻き込んでやるべきなのに、市の施策からはそれが感じ
られません。(「市民によるアイヌ工芸展」じゃだめなんですかね。)
この件に関しては、文化振興より予算規模の拡大を考えてる市役所の担当部局の
役人の方に腹が立ちますけどね。
アイヌ文化の担い手は、本当にアイヌ民族なのか?
という質問を投げかけているんですよね?コメント欄を閲覧しましたが、その質問に明確に答える人がいないような、コメント欄だと感じました。担い手の方々は本当にアイヌ民族です。なぜなら、~とか。
担い手はアイヌ民族ではありません。なぜなら、~とかの提案者が欲しているコメントは全く無視して、
わざとらしい、イジメのようなコメントばかり。イジメ問題の原点を垣間見たような、哀しささえ感じます。
飛ばないよ。>
e~~~e
なんか おこらしちゃった
申しわけない ○○○は 議員さん です 字足らず失礼
飛ばないよ。議員には謝れだやめろだ言いながら自分の失言は謝りもしない卑怯ものが消えただけだから。
え~~~~っ
アイヌから よさこいに飛んじゃうの____?
まあっ いいか ブログだから
多少 ゆるくっても(笑)
でも ゆるくっても
このブログで 議会 クビ勧告の議員さんもいる
気の毒な○○○だ!
http://www.city.sapporo.jp/city/mayor/interview/text/2014/20140731/documents/ainu.pdf
(2) JR タワーに設置する作品:縦2000mm×横2500mm
○制作:加藤 町子さん
コタンシリヘカッタラ(シネッパ)~「村の四季と子供達」
※作品はイメージであり、実際の作品と異なる場合があります。
↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑
さすが札幌市 逃げ道作ってますw
よさこいソーランをナチス呼ばわり。ヘイトスピーチですか?
アイヌ利権なんぞより「よさこいソーラン祭」の利権をただすほうが先決でしょうに。
それに利権云々よりも、「よさこいソーラン」の場合、公立の小学校等でこのクソイベントが体育等の教材に用いられているのは、思想信条の自由という観点からみても唾棄すべきことなのではありませんか!
大体が道民の半数がこの祭りを嫌っている。
あのチームごとの統一したいでたちはナチスやファシズムを連想させるし、よさこいソーラン祭は潰さねばなりません。
ご指摘ありがとうございます。二風谷アットゥシ調べてみました。
100 年以上前から沙流川流域に住むアイヌの人々などによって受け継がれてきた伝統的な技術・技法により製造されます。
http://www.kamikawa.pref.hokkaido.lg.jp/ts/tss/houdou/2606111.pdf
クマの彫り物と時期は変わらないですね。
織物技術は和人の女がその昔アイヌに嫁いだ話があるから伝達は想像できますね。
私には年に30~40件も不正を働くアイヌ協会とその隠蔽をする札幌市がやることですから「アイヌ協会指導監督 MADE IN CHINA」にしか見えませんでした。
渦巻き=アイヌ(笑)
アイヌの神話の一場面や生活状況のデザインだったら傑作なんだろうと思いました。
創意と工夫を極めるのは今のアイヌ協会には難しいんでしょうか。
じゃあ、アイヌ協会以外のアイヌの人が作っても、よさこいソーランみたいに他の文化と混ぜて作っても問題ないな。