元々は議員ブログとして有権者の皆様向けに始めたこのサイトですが、前回の選挙で落選後はビジネス路線に転身。
意外と政治ネタより、ビジネス記事のほうが反響があります。
理想論よりリアルな儲け話の方が面白いのは世の道理。
そこで、今日は政治を離れて、最近の商売の失敗談をご披露します。
事の始まりは今年夏、我が家に届いた1000円分のQUOカード引換券付き招待状。
札幌市内で開かれる「フランチャイズ・起業・独立フェア」というイベントへの招待状でした。
住所はどこで調べたのでしょうね。
イベントは独立を考えるサラリーマンや自営業者などをターゲットにしているようです。
政治から足を洗い、商売人の端くれとなった私は24時間、常に儲かるネタを探しています。
でもいま思えば、QUOカードに目が眩んでフラフラと会場に足を運んでしまった、自分の欲深さが失敗の始まりだったのです。
会場は3階吹き抜けで天井が高く、とても大きな展示場です。
大手コンビニチェーンや飲食、デイサービス、介護、個別指導教室など20社ほどが出展していました。
東京でこの手のイベントだと人がいっぱい、熱気ムンムンが普通です。
ところが、この日の札幌会場はどの展示ブースも人気がまばら。
会場自体が妙に閑散としていました。
まったく盛り上がっていない。
というか、儲かる雰囲気がさっぱり感じられません。
やっぱり札幌は景気が悪いんだなあ。
素直にそう思いました。
しかし、お目当のQUOカードをもらうためには(涙)、3社のブースを訪れて商談スタンプを押してもらわなければなりません。
そこで、仕方なく3社分の話を聞くことにします。
あまり目新しい会社は見当たらないのですが、スタンプを押してくれそうな、しかもシツコクなさそうな会社のブースを訪れ、何とかスタンプ一個ゲット。
やれやれ、これは全然儲かりそうもないぞ、と。
次も長い説明を聞かされ、ようやくスタンプ二個目をゲット。
「よし、ラストだ!」
「3社目はどこにしようかな。。。」
ふと目が合ったのが、話題のFCチェーン「A」社の勧誘員だったのです。
(社名は以下「A」社と称します)
「A」社の勧誘員は年の頃は私よりちょっと下くらい。
馴染みやすく、嫌味のない語り口の男性です。
勧誘員の説明をブースの前で立ちながら聞きました。
このフランチャイズのセールスポイントその1:
「運転資金をチェーン本部が面倒を見てくれる」
運転資金が要らないということは、自己資金が少なくて済みます。
これはマル貧の私にぴったりです。
脱サラを目指す貴方様にも良さそうですね。
セールスポイントその2:
「ロイヤリティは売れた分の3割を本部に納めるだけ」
簡単に言えば粗利が7割。
仮に売り上げが少なくとも、その分ロイヤリティも少なくて済む。
基本料金もなし。
ロイヤリティは売れた分だけ。
普通はロイヤリティが定額で毎月何十万も取られることが多いです。
セールスポイントその3:
「商品仕入れは本部が一括発注、本部が全額負担」
普通の商売なら仕入れリスクがあります。
ところが、このチェーンでは本部が商品を用意してくれます。
さらに驚きは売れ残りは本部に返品可能ということ。
会計的には委託販売に近いスタイルなのでしょうか。
どうです?具体的でしょう。
要するに「ビジネスリスクが極めて少ない」という説明なのです。
粗利7割で仕入れリスク無し。
これって、めっちゃ良く無いですか?
私はブースに着席して詳しく話を聞くことにしました。
この会社は東京に本拠を置く会社で、全国に何十も店を出しているものの、まだ北海道内に店舗はありません。
初めての札幌フランチャイズ展への参加とのことでした。
ちょうど株式上場を目指して全国展開を進めているところ。
つまり、いまが出店のチャンスなのです。
あなたなら何時出店しますか?
「今でしょ!!」
そう私は直感しました。
翌日、「A」社の勧誘員とともに、札幌市内の出店予定地を訪れました。
場所は道内屈指の売上規模を誇る、大型ショッピングモールの一角。
客層は若いファミリーが多く、商売には良さそうな場所です。
なのに、どういう事情かわかりませんが、その区画だけぽっかりと空いています。
しかも家賃を尋ねると坪単価的には意外と手頃な水準です。
普通はこの手のいいスペースは何年も前から予約が入っていて、退店するときにはすぐ次の店が入ります。
空いているということ自体が普通は考えられないんですね。
しかし、現実として目の前に素晴らしい物件が空いている。
この場所なら何を売っても売れそうです。
商談にはモールを運営する不動産会社の幹部も同席してきました。
不動産の物件は世に一つしかありません。
ですから、その場で決めないと他にさらわれるということは私もよく経験しています。
「A」社の勧誘員は「決めちゃいましょう!」と誘って来ます。
しかし、「待てよ」と。
この会社とは昨日初めて会ったばかりだ。
だいたい、どんな商品を売っているのかもよく知らない。
ですから、「東京でリアルのお店を見せてもらおう」ということで、この日は別れたのです。
(中編に続く)
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