羽田新ルート「急角度 変更を」 国際航空協会が要請
(東京新聞、令和2年3月4日)
上記報道されている件について、国土交通省に情報公開請求を行い、このほど開示されました。
下記に資料を公開します。
資料は、
・羽田空港の新飛行経路に関するIATA・IFALPAと航空局との意見交換・ 概要メモ(内部整理用)
・RJTT AD2.24-IAC-38 (AIP Japan)
・Change of Runway Operation & Flight Routes (South-wind operation)
・HANEDA AIRPORT FOR TOMORROW
以上4篇です。
3篇は通常に公開されている資料で、意見交換メモだけが非公開の資料です。
令和2年1月15日午後2時から開かれた会談は国際航空協会から航空局への「要請」ではなく、単なる「意見交換」だった模様。
資料には「概要メモ(内部整理用)」と銘打たれ、出席者の名前、作成者はおろか作成日付すら記されていません。
したがって、メモの正確性についてはまったく定かではありません。
それでも、資料の右上には【機密性2】と指定されています。
行政文書としてはいい加減なものです。
東京新聞によると
IATAでアジア太平洋地域の安全施策責任者を務めるブレア・コールズ氏や加盟する米デルタ航空のパイロットらが一月、東京・霞が関の同省を訪問し、担当者と会談。新ルートで好天時に設定された三・四五度の着陸に「強い懸念を抱いている」と伝えた。
と、一面トップでセンセーショナルに報道されていました。
私も東京新聞の記事を見てたいへん驚いたことを記憶しています。
しかし、資料からはそのような記述が見られないようです。
議事メモによると、JCAB(航空局)からの説明に続くIATA/IFALPAとの質疑応答で、気温が高い時期の運用やPAPIとの相違、同時RNAVの安全性など技術的な意見交換が行われた旨が記されています。
ここには東京新聞の記事のように「強い懸念」という単語が見つからないことから、 JCAB(航空局) はIATAの発言を「強い懸念」とも「要請」とも捉えていないことが伺えます。
逆に言うと東京新聞は思惑的な記事を書いている可能性があるということです。
新聞記事と会談メモの内容がずいぶんとかけ離れているためです。
しかし、モリカケ事件の教訓では、日本の役人は公文書を適当に偽造することが明らかになっています。
ですから、この「概要メモ」もどこまで本当かは分かりません。
国土交通省への公文書開示請求では「調査等に時間を要するため」として開示期間が一ヶ月以上も引き伸ばされました(上記)。
会議メモをコピーするだけで1ヶ月以上も延長するとは実怪しい。
1月15日のメモが届いたのは今日6月6日で、約半年がかり。
引き伸ばした時間で関係先の調整を行い、公開に併せてあと付けで都合の良いようにメモ自体を作り直した可能性も否めません。
こうして考えると、 東京新聞もいい加減だけど、国土交通省も仕事が杜撰。
新聞も役所もウソばかりで信用ならないのが現代日本の悲しい現状です。
国民は一体何を信じたら良いのでしょうか。
ところで、添付されていたAIPチャートをじっくり眺めてみました。
すると危険な3.45°着陸はRNAV進入の場合だけで、RNAVが使えない場合は通常通り3.0°着陸になるように思われます。
上記のチャートは RNAVが使えない場合のものです。
△の印がついたウェイポイントLYCOSから羽田空港のC滑走路に向けてGP3.0°で進入するよう定められています。
この場合は地上の騒音は従来と変わらないことになります。
高度を引き上げて騒音を低減すると住民に説明していますが、実際は 3.0°着陸を認めているのか?
国土交通省は国民に二枚舌を使っているのではないかとの疑問が湧いてきます。
地上から眺めても飛行機の高度の角度差は分からないと思いますが、検証の方法があるのかも知りたいところです。
(詳しい方はご指摘ください)
入手した資料はPDFフォーマットでそのまま添付しますので、自由にダウンロードしてご覧ください。
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